AGの挑戦

昭和女子のエッセイ

アバウト女子達のキャンプ飯

今週のお題「キャンプ」

ずいぶん前の話になる。

 

女友達5人でアスレチック付の所にキャンプに行くことにした。

テンションとお風呂セットを持ち、下調べも簡易に済ませ勢いだけで決行。

 

「キャンプと言えばカレーでしょ!!」

キャンプ場には鍋など道具が借りられるという事で

食材だけを買い込み意気揚々と乗り込む。

 

現地で薪を購入し、少しかまど近くのアスレチックで遊んだ後

いよいよカレー作りへ。

当時私は仕事が忙しいという事を盾に、

年に数回しか包丁を使わない生活をしていた。

まったく料理ができなかったのだ。

でも、そこは女子軍団。5人もいればできる子もいる。

分担だ。

私は火当番だったが、私たちにあるのはライター1本のみ

着火剤もない。

火種になるのは、当時どこでもメモができるようにと持っていたメモ帳のみ。

薪が湿っているのか、なかなかつかない。

何度も何度もチャレンジするが紙のみが一瞬で燃え上がりまた消えていく。

マッチ売りの少女の気持ちが少しわかる。

どんどんなくなる紙たちを前に、どんどん焦る私。

見かねて友人達が集まってきた。

 

ある者は己の体を盾に風を止め

ある者は小枝を集める

またある者は知恵をしぼる

 

とうとう5人がかまどを囲い円陣を組み

全員で風を止め、頭をくっつけ歌うことにした。

 

「もーえろよ燃えろよ 炎よ 燃えろ~♪」

を繰り返す。何かの儀式である。

 

大合唱もむなしく紙がなくなった。

どうしよう…心とは裏腹に大爆笑、笑いが止まらない。

 

そんな儀式を見ていた、お隣のイケてるカップル?家族だったか

のうち男性が1人バーナーを持って話しかけてきてくれた

「大丈夫ですか?」

 

色々大丈夫じゃないと思っていての一言であろう

「よかったら火をつけましょうか?」

と神の提案。

早速甘えることにした。

さすがバーナー、さすがイケてる男性、すぐ火が付く。

素晴らしい!!

それぞれ丁寧にお礼を伝える。

その節は本当に助かりました。ありがとうございました。

 

ようやっと、カレー作りである。

どんどん野菜を煮込み、カレーのルーを入れたところで

私たちは気づいてしまった。

お玉がないことを。

やばい、再びピンチである。

どんどんおいしそうな香りを放つ、茶色いどろどろしたモノ。

 

お箸でかき混ぜていたがもう限界である。

お皿に盛れないのだ。

 

一人が、カレーのルーが入っていたペコペコした茶色いケース持ち

「これで入れる?」

「えっ」全員の声がそろう。

「いや、ペコペコで無理やろ(笑)」

判断能力がやられてきている。

 

見渡した結果、紙コップですくうことにした。

なんとか成功!!よかった~

最後の方は至難の業だったが、紙コップの形状の可変性によりクリアした。

 

これがまたうまいのよ。

いや~結果良ければすべて良し。

ネタもできて大成功だった。

 

『喉元過ぎれば 熱さ忘れる』で、すべてを忘れ、

今度は大人げなくアスレチックを堪能。

 

アスレチックごとについた番号を1から順番に回り、順調に見えたが

池の上の板かロープかを渡るという、忍者さながらのアトラクションだけは

緑の池と微妙な古さで私達の重さに耐えられるかどうか

定かではなかった為、スルーすることにした。

その後はスパルタでこなしていく。

30ほどあったアトラクションをクリアし、手にした達成感。

 

疲れた体に、残っていた冷えたカレーが再びパワーをくれた。

最高のキャンプ飯、アスレチックである。

しかし、その後の記憶がほぼ残っていない。

お風呂には、行ったような…

 

 

まとめると、

①事前に借りられる物はきちんと確認していくこと

②困ったら歌ってみること

③自然の中ではすべて美味しく、楽しくなること

④アスレチックと言えども本気で向き合うこと

⑤ピンチやクリアした方法しか覚えていないこと

⑥ソロキャンプもいいが、仲間と行くキャンプも最高だということ

が実証された経験だった。

 

今度はバーナーを持って行き、歌う集団に声をかける猛者になりたい