AGの挑戦

昭和女子のエッセイ

うるおいLIFE(本:目の見えない白鳥さんとアートを見にいく)

最近、本を読む機会が増えた。

SNSでは、他の方のキラキラや熱いメッセージ、

あまりいい気分のしないニュースが流れて疲れているからだ。

そして、いつもの車移動から電車移動も積極的に利用しているからでもある。

電車の中で少しずつ読み進めている。

 

そんな中、途中でほったらかしにしていた本がある。

『目に見えない白鳥さんとアートを見にいく』という本だ。

 

           

 

この本は盲目の白鳥さんと作者の川内有緒さんがアートを一緒に見に行く

体験談が書かれたノンフィクションである。

 

なぜか222ページで読むのをやめていた本。

それが今日、部屋の整理をした時にたまたま目に入り、急に気になった。

片付け中に他のことが気になる、例のあの現象だ。

 

無性に続きが読みたくなり、一気に残りの100ページを読み終えた。

 

内容はネタバレになるのであまり詳しくは書かないが、

私がこの本で感じたことは、

「私は深く考えてないな。五感も全然使えていなくて、

なんとなく当たり前に生きているんだな」

ということ。

 

自分が当たり前に思う事は、他の人にとっては当たり前じゃなくて

その違いをわかろうと、自分なりの考え落とし込んでいく作者。

あちこちで体験する、見えるアートと見えない白鳥さんが体感しているアートが

言葉や様子で分かり、面白い。

たくさんの個性的な方との関わり、アートの紹介と

私の人生で知らない事ばかりが出てきた。

今の私のルーティンでは出会えないような、不思議な空間やアート。

 

私の年老いた両親が「自分が存在している感覚」を

どうやって感じているのかを疑問に思った箇所もあった。

私はかろうじて、このブログを書いたり、友人に会ったり、

SNSで「私はここにいるよ」とアピールしているけど、

それをしない方はどうしてるんだろうと。

というかはっとした。というかぎゅっとしたというか…

なんだかわからない感情が湧いた箇所だった。

 

「それもアートなのね。深いな。世界にはもっと違う見方があり、

もっと五感を使って体感できることがある。見方を変えて私の人生も、

もっと深くできるんじゃないか」とうっすらとした希望が湧いた。

 


もしアートやクリエイトに興味がある方なら、ぜひ読んでみて欲しい。

動画もいいけど、本だから得られる事も大きいと感じた。

出てきた美術館や、夢の家に行きたいと思った。