AGの挑戦

昭和女子のエッセイ

若き日の自転車のナゾ①(ウインドブレーカー)

自宅には年に数回だけ乗る水色の自転車がある。

自転車は、エコ、小回りきく、人とあまり接触しない、運動になる

と近くを行き来するには最高の乗り物だという事はわかっている。

しかし車の快適さを知ってから疎遠になっている。

 

風が強い日、台風が来るとわかった時などは

転倒防止の為、あらかじめ横に倒している。

その際に自転車に触れることの方が回数が多いのだ。

 

そうだ!振り返ってみよう。

素晴らしいサイクリングLIFEを過ごしていた頃を。

 

中学時代は主に部活で試合時には市内を自転車で走り回っていた。

今思えば結構遠かったが、3学年が連なり走る道は楽しく短く感じた。

そういえば、ある日、急にすごく雨が降ってきた試合後の帰り道、

学校指定のウインドブレーカーの首元に収納されていたフードを被り

きちんと紐をしめ頭巾のようにし自転車をこいで帰っていたことがある。

ビジュアル度外視のいでたちの女集団。

そんな中、1つ後輩の2年生が1mほど高低差がある田んぼに自転車ごと

転落してしまった。事故である。

駆け寄り助け出そうとする2年生。だが結構な高低差と足元の悪さに

なかなかうまくいかない。

 

何とか自転車を引きあげ、落ちた後輩を引き上げようと手を伸ばした仲間が

夕暮れ時の雨の薄暗さ、1mほどの高低差、青々とした稲の隙間、

そして、ウインドブレーカー頭巾のいでたちのせいで、

ねずみ男や」と大爆笑が起こった。

おっしゃる通りである。

 

それからは、もうねずみ男にしか見えない。

「笑ってやんと助けてよっ」「早く」言われれば言われるほどオモシロイ。

笑いのせいで、救出は難航を極めた。

さすが大阪である。

 

何とか救出し、髪だけは守られた形で、

またずぶぬれになりながらそれぞれ岐路を急いだ。

 

口調から大丈夫だと思っていたが、翌日現れた彼女は

擦り傷や切り傷だらけの痛々しかった。ごめんっ。

恥ずかしい思いもあっただろう。かわいそうに。

でもオイシイな。

 

当時は何も考えてなかったが、田んぼの持ち主の方には

ご迷惑をおかけしてしまった。

遅くなりましたが、大変申し訳ありませんでした。

 

しかし

なぜ、私たちはあんなペラペラフードを被ったのか?

なぜ、1mも下の田んぼにダイブしてしまったのか?

なぜ、いま思い出したのか。

 

自転車には答えの出ない ナゾが潜んでいる。